2025年春のオープンに向けて着々と工事が進んでいるいろは蔵パーク。
工事現場ではどんなことが行われているか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回はいろは蔵パークの建設に携わっている作業員たちが、現場の様子や雰囲気についてお話しします。
そして日々作業に取り組んでいるからこそ感じる、いろは蔵パークプロジェクトへの熱い想いもお伝えします。
建築工事部 建設課 課長
後藤昌明さん
――いろは蔵パーク建築現場での業務について教えてください。
今回の現場において、私は建築工事の現場代理人、監理技術者を任されています。
工事全体を見るような統括的な立場になりますね。それぞれの現場を担当する業者さんごとに専門業種が決まっていますので、例えば基礎工事であれば基礎専門の業者さんが施工し、終わって次の工事になればその専門業種の方にお願いするといった流れになります。
工事の進捗ごとに業者さんが入れ替わるため、スケジュールの管理がとても重要です。
そして今回は当社をはじめ、地元の建設業社8社がJV(共同企業体)となって工事を進めていますので、協力し合って円滑かつ安全に業務を進めていくことを意識しています。
――今回の現場は8社が共同して行うという珍しいケースになりますが、業務の進行において特にどのようなことを心がけていますか。
それぞれの会社で工程や進め方が異なる部分もありますので、コミュニケーションをしっかり取ることを大切にしています。
各会社が持っているノウハウを活かすためにも、お互いに意見を出し合い、すり合わせをしながらより良い工法を検討して進めています。
あまり例のないケースなので最初は少し不安もありましたが、それぞれの会社からすごく仕事ができ、技術のある方が来てくださったので現場はスムーズに回っています。
――後藤さんのお仕事の「1日の流れ」を教えてください。
大まかにですが、朝7時55分くらいにその日現場に来ている作業員全員で集まって朝礼を行います。
その後は定期的に現場を巡視し、お昼頃には明日の予定や搬入などの打ち合わせを行います。
午後は施工図などの図面を書くなど事務所での業務が多くなりますね。私は立場的にも現場で作業に当たることは少ないので、夕方、作業員が現場から事務所に戻ってきたときにその日に起きた問題点などを話しあって解決策を出すようにしています。
例えば搬入時間が重なった場合、どちら優先するかといった細かい調整が必要になるので話合いは毎日行っています。
――いろは蔵パーク建築現場への、地域の方々の関心の高さを感じたエピソードはありますか。
中学生や高校生が授業の一環で見学に来られた際は、みんな興味津々で現場をながめていましたね。
工事中の現場に入る機会ってほとんどないでしょうから、面白かったようです。
高校生は建築科の生徒たちでしたので、教科書や映像でしか知らなかった機械や、鉄骨を建てている現場を間近で見られることに興奮していました。じつは私も高校は建築科で、彼らと同じように職場体験で建設現場に行ったことがありました。
迫力のある現場の様子を見て、すごいなと感動したことをいまだに覚えています。
建設業を志す子たちにとっても、地元で今、大きな建物が造られていることはきっと良い影響を与えていると思っています。
土木工事部 土木課 技術主任長
小松洋平さん
――小松さんは土木課ですが、いろは蔵パークの工事ではどのような業務を担当されていますか。
私の担当は外構工事、いわゆる土木工事になります。
いろは蔵パークの工事については2月頃から進行していて、まずは土台造りということで3月から5月にかけて商業高校跡地に造成をかけて建物が建てられる土地の状態にしました。
その後は建築工事の段階に入り、現在のように建物の骨組みが建てられていく状況になっています。
外構工事における、いわゆる最後の仕上げが駐車場の舗装や木々の植栽になります。
建築工事の進捗を見つつ、これから徐々に進めていくようなかたちになります。
――いろは蔵パークの工事にあたっては、最初の段階と大詰めのところをメインに担当されるということですね。
そうですね、店舗の駐車場をきれいに舗装していくというのが詰めの作業になるかと思います。
私たち土木課は普段、道路や橋などを造る公共工事に携わることが多いので、今回のように大きな商業施設を8社で共同して建てるという現場には新鮮さを感じています。
このいろは蔵パークは当社の高橋会長の肝いりの一大プロジェクトですので、その一端を担えることはいち社員、そして酒田のいち市民として強いやりがいを感じています。
いろは蔵パークが完成したら、たくさんのお客さんで賑わう場所になってほしいですね。
――8社共同という大きな規模の現場になりますが、雰囲気はどんな感じでしょうか。
2、3社で共同して工事を行うことは結構あるのですが、8社共同というのは初めてですね。
とはいえ、同じ建設業界同士なので隣の現場にいれば話もしますし、他の会社では同級生も働いています。
なので、やりにくいといったことは全然なくて、普段は一緒に仕事をする機会のない方々から技術的なことや仕事への考えを知ることができ、良い刺激を受けています。
もちろん一人ひとり仕事のやり方が異なる部分はありますので対話は必要になりますね。
現場での作業は一人で出来るものではないので、どうしたらうまく進められるか日々話し合いながら、チームワークを重視して業務に当たっています。
――いろは蔵パークの建設現場で大切にしていることはありますか。
現場には若い作業員も多くいます。
私も現場経験は多少なりともありますので、アドバイスできるところはしながら、若い世代に現場での経験をどんどん積んでいってほしいと思っています。
若い世代を育てたいと思いますし、逆に彼らの姿を見てもっとがんばろうと刺激を受けることもあります。
建物を造りながら、造る人たちも一緒に成長していくようなイメージで、いろは蔵パークを担当した若い作業員たちが次の現場に行ったとき、また次の世代を育てられるような良い流れを現場全体で作っていきたいです。
建築工事部 建築課
斉藤柚季さん
――現場ではどんな業務を担当していますか。
現場監督という立場なので、職人さんの工程の調整や指示といった業務がメインとなります。
職人さんたちがなるべく作業しやすいように、ストレスを感じないように調整していくことが大事ですね。
工期を守ることも重要ですが、なによりもまず安全第一を徹底して進めています。
工事も進んで作業員数も多くなり、今では100人近くが現場で作業しています。
作業エリアが重なってしまうと事故が起こりやすくなるため、打ち合わせのときにそれぞれ確認し合うなど、安全に仕事を進められる環境づくりに力を入れています。
――建築の仕事のどんなところに魅力を感じていますか。
小さい頃から、建築の仕事はかっこいいっていうイメージがありました。
更地の状態から、大きな建物を造っていきますので完成した時の充実感はすごくありますね。
これまでは工場や倉庫を建てる現場を担当することが多かったのですが、今回のいろは蔵パークは商業施設になりますので、たくさんの人が集まる場所をつくるということで特にやりがいを感じています。
建築の仕事って、世間一般的には体力勝負だったり、黙々と作業したりというイメージがあるかもしれませんが、チームスポーツのようにコミュニケーションや連携を取ることがすごく大切になります。
日々の打ち合わせもそうですし、休憩時間などは和気あいあいとお喋りすることも多いです。
上司や先輩たちも目をかけてくださり、ミスをしてしまった場合もその後の対策についてしっかり指導してくれます。
どんな仕事でもそうだと思いますが、現場は特に「人が支えている」ということがすごく実感できる場所になります。
――いろは蔵パーク完成に向けての意気込みを聞かせてください
いろは蔵パークが完成したら、やっぱりたくさんのお客さんに来てほしいですね。
近くには山居倉庫という酒田を代表する観光名所もありますので、観光で来た人も立ち寄って買い物を楽しんでいただけたらと。
テナントに入るお店は、私自身も好きでよく行くお店です。なので完成したら私も客として訪れるようになると思います。
だからある意味、自分のためにがんばっているってところもありますね。
工事はこれから大詰めになりますので、引き続き、気を引き締めて安全第一で進めていきます。